day in, day out

かたづけとおしゃれのブログ

何を、どのくらい、よりも「いかに」持つか

以前のポストで「ゴリゴリのミニマリストを目指すつもりはないが」と書いたが、実はひっそり心の中で自分のことをセミ・ミニマリストと認識してきた。ミニマリストというライフスタイルが流行っているけど、これは景気とか時短ブームとかジョブズの死とか震災などが合わさって抽出された2010年代の日本の独自のスタイルだと言えるだろう。それよりもうちょっと趣味的。管理できるだけの量、愛すべきアイテムだけ、という意味で。

 

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とりあえず行動が伴ってないので、まず自分で管理できるところまで物を減らさないと話にならなのだが、管理できるという目盛りまでたどり着いたらどうするのかとふと考えた。さらにそぎ落とすのか、その場で微調整を繰り返すのか。考えようによっては「管理が届く最大限で自分が好きなものを持つ」という状況でもある可能性がある。それはむしろセミ・マキシマリストということになるのではないのかという気もするのだ。

 

ところで、捨てられないタイプをマキシマリストと呼ぶ傾向に違和感がある。マキシマリストはマキシマムであることを至上とする人ではないだろうか。例えばアイリス・アプフェル。

 

 

アイリス・アプフェルは1921年生まれの95歳。その個性的なセンスは幼い頃から備わっていたようだ。ファッションの世界からインテリア業へ……なんて今さら説明するまでもないか。2005年にはメトロポリタン美術館でアイリスのファッションが展示され、話題となった書籍&映画『アドバンスト・スタイル』でその姿をご案になった人も多いだろう。昨年はアイリスを追ったドキュメンタリーも公開された。装飾主義のアイリスは多くの持ち物を持つ。でも働き者で抜群のセンスと自分が選んだ物たちに愛情と情熱を持って接するアイリスは物に埋もれているようにも、踊らせされているようにも見えない。何を持つか、どのくらい持つか、いやいや、いかに持つかということなのだ。

 

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自分のスタイルとは全然違うの釘付けになった写真集、わたしはこれでアイリスを知りました。

 

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中身がマネキンだとシックに見えるものもあったりする。これならもしかして…!

 

誰かが彼女に向かって言ったという言葉はモテ志向の女性であればひどいと言って泣くかもしれない。「あなたは美人じゃない、全然美人じゃない、でもそれは問題じゃない」アイリスはその言葉を楽しそうに口にし、続く言葉は自信たっぷりに1ワードづつ区切って(でも早口で)発音した。

 

You, Have, Style.

 

スタイルがある者こそ~イストと呼ばれるに相応しい。私はセミ・何とかイスト。まだまだ修行が足りません。